お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 店先にはたくさんの商品が並んでいて、道を行きかう人達は皆幸せそうで。

 若い王を支えて、この国をますます盛り立てていかねばならないのだと自分に言い聞かせながら、馬車の中からこの景色を眺めていたことを思い出す。

 すぐにその光景が見られるのは表だけ。一歩裏道に入れば、表からはじき出された人達が暮らしていることに気づいた。

 手を伸ばしても救うことができるのは、ごくわずかな人だけ。

「それから、グレゴールにこの国を任せておいてはいけないと思った」

 シェルトに会いに行った時には、ルークも一緒だった。彼も、その目でシェルトの資質を確認し、そして、シェルト自身立ち上がることを望んだ。

「故郷のようだとは思えないし……この国を思い出す時には、きっと痛みを感じるのだろうけれど」

 オリヴィアにも後悔がないわけではない。

もっと上手にグレゴールと向き合うことができたなら、違った道もあったかもしれない。

 彼を愛したことなどないし、彼を愛さなかったことを後悔しているわけでもない。

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