お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 オリヴィアの手を両手で包み込むようにしてくれたのは、皇妃である。

「我が国に、そなたを悪く言う者はいない。いたとしたら、すぐに連絡をくれ」

 と、にこにことしてくれたのは皇帝だ。歓迎してもらえるのはありがたいのだが、どうしてここまでという気持ちも拭えない。

(ルークってば、私のことどんな風に話をしていたのよ……!)

 本当なら、ルーカスと呼ばねばならないのだろうけれど、オリヴィアにとってはルークである。頭の中ではつい愛称で呼んでしまう。

「ルーク、いえルーカス様は……五年の間ずっと私を助けてくださいました」

 使役魔術を根性で覚え、何度もストラナ王国まで様子を見に来てくれた。覚悟して嫁いだとはいえ、ルークからの手紙がなかったらくじけていたかもしれない。いや、きっとくじけていた。

「なに、そなたのことを愛しているというのだ。ならばしかたあるまい」

「父上、そこまでにしておいてください。オリヴィアが困っているではありませんか」

 ルークが間に割り込んできて、さりげなく皇帝とオリヴィアの距離を離した。

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