お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 シェルトと年齢が近いアントンは、側近として頑張っているはず。だが、たしかに彼は若い。彼の経験不足を責めるのは違う。責められるべきは、シェルトを支える人材を集めきれなかった大人達の方だ。

「手配書を回して、探しているところだ」

「再起をかけて、兵を挙げるつもりなのかしら? 彼に協力する貴族がいるとも思えないけれど……」

 グレゴールが王だった時代は彼に従っていた貴族達も、今はシェルトに忠誠を誓っているはずだ。シェルトは徹底的な改革を行い、グレゴールの時代に甘い汁を吸った者は厳重に処罰し、力を奪ったと聞いているが、全員を排除したわけではない。

「だが、シェルトに不満を持っている者も多いだろう」

「二年かけて改革を進めてきたつもりではあるけれど、どこにだって不満を持つ人はいるでしょうね」

 そんな不満を持つ者が、グレゴールと手を結んだとしたら。彼を離宮から脱走させるのも不可能ではないかもしれない。

「やっぱり、足の一本でも切って地下に監禁するべきだったか。離宮をひとつ与えたのが、失敗だった気がする。いやいっそ、処刑しておいた方が」

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