お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 ――たぶん、この時だったのだろう。オリヴィアをもっと知りたくなったのは。

 

 それから、毎年夏になるとウェーゼルク辺境伯家を訪れるのが恒例行事となった。

 年を重ねるごとに美しくなっていくオリヴィア。

 彼女の魔術もまた、年を重ねるごとに迫力を増していた。天才、というのはオリヴィアのことを言うのかもしれない。

「今年も、ルークに会えると思っていたの。来てくれて嬉しい」

 再会する度に、笑みを浮かべてそんなことを言われたら。ルークの気持ちはますます膨れ上がるだけ。辺境伯家の娘であるという事実を考えれば、いつ、婚約が調ってもおかしくはない。

 今年こそ求婚するのだと、父にも、ウェーゼルク辺境伯夫妻にも話をして、求婚の許可を得た。ようやく求婚して、先祖から伝えられた指輪を彼女に贈って。

 それなのに、運命はあっさりふたりを引き離そうとしてしまう。

「なんで、オリヴィアが結婚しないといけないんだ!」

 エーリッヒにだってどうしようもないとわかっているのに、つい彼に当たり散らしてしまった。

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