お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「国王陛下を廃人にするのはやめておきなさい」

 やたら早口で続けたエリサも、腹に据えかねているらしい。マリカほどの戦闘能力も暗殺技術も持ち合わせていないが、エリサの本領は拷問――尋問と、洗脳術にある。グレゴールに薬物を盛るなんてわけにはいかないが。

「少なくとも、人前では王妃として扱ってくださるおつもりはあるそうよ。お飾りの王妃と言うところね」

 お飾りとはいえ、オリヴィアがここにいればなんらかの抑止力とはなるだろう。せめて、それぐらいは祈らずにはいられない。

「いえやっぱり殺りましょう。殺ればオリヴィア様は国に帰れます」

「今陛下が亡くなったら、真っ先に疑われるのは私達よ」

 侍女達を宥めるのも大変だ。けれど、ひとりではない分心強かった。

 

 * * *

 

(なんだよ、あいつは!)

 グレゴールは、足音も荒く寝室に戻った。

 最初から、オリヴィアとの結婚は気に入らなかった。他国の王女ならばともかく、辺境伯の娘だなんて、国王であるグレゴールとは釣り合いが取れない。

 そうダンメルス侯爵にも言ったのに、彼は強引だった。

< 68 / 306 >

この作品をシェア

pagetop