お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 オリヴィアを妃とすることで、イリアーヌ王国を後ろ盾とすることができる。そう言われてしまえば、グレゴールも受け入れることしかできなかった。

 もともと、グレゴールの方が劣勢だったのを、ダンメルス侯爵の一派がこちらにくみすることでなんとか勝利を治めた形なため、彼には頭が上がらないのだ。

 王としての教育を受けてきたグレゴールには、ダンメルス侯爵の言い分も理解できた。理解できなかったわけではないのだが、感情がついてこない。

 結婚式のその場までオリヴィアと顔を合わせようとしなかったのは、ちょっとした意趣返しだったのである。

(なんで、俺が愛さないと言っても、あいつは平然としているんだ?)

 王妃の座を狙って嫁いでくるような図太い女だ。

 結婚式の会場で、ベールを上げ、初めてオリヴィアの顔を見た。どことなく冷たさをはらんだ硬質な美貌。まっすぐにグレゴールを見つめる神秘的な赤い目。

 あの時、きちんと口づけそうになったけれどやめた。どちらの立場が上なのか、彼女に思い知らせてやらなければと思って。

 口づけひとつ、彼女には与えてやらない。グレゴールが選んだ女性に与えるのだ。

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