お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ですが、ご実家との連絡については」

 と、この状況で侍女長は空気を読まない発言をした。というか、自分に発言権があると思える方がおかしい。

「オリヴィア様、こいつ殺りましょう。だいじょうぶです、証拠は残しません」

「ひぃっ!」

 マリカの殺る発言は、半分口癖のようなものだ。たしかにそれが、一番手っ取り早いと思うことはしばしばあるのだが。

 たとえば、オリヴィアをこんな状況に追い込んだ張本人であるグレゴールとか。だが、それは最終手段であり、できるからって誰も彼も殺して回るわけにはいかない。

「使えなくなったらお願いするけれど、まだ、その時じゃないと思うの。まずは使える人材かどうか、確認しないと」

「つ、使えるって……」

「実家との連絡が禁止されているのは知っているわ。でも、そこはあなたが目をつぶればいい話でしょ? 同じように、目をつぶっておいてほしいことがいくつかあるってことよ」

「もし、お断りしたら?」

「あなた――ではなく、あなたの息子夫婦が責任を取ることになるわね。うちのエリサは、本当に優秀なのよ」

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