お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
顔立ちは整っていると言えば整っている方で、お得意様の中には彼の笑みを見たさに買い物をする若い女性も多いらしい。そして彼も、その微笑みを有効活用するのにまったくためらわないタイプだ。
「どうしてこちらに?」
「あなたに、投資をしようと思って」
にっこり、と微笑めば、彼は事態を理解した様子だった。すぐに、従業員に指示を出す。
「こちらのお嬢様は、お忍びでいらしている貴族のご令嬢だ。お名前については、おたずねするな」
「かしこまりました」
貴族がこういう店を訪れるのも珍しい話ではない。その時に、身分を偽っておくのも。
ダミオンは、オリヴィア達を店の一番奥にある部屋へと通した。贅を尽くした家具で調えられたこの部屋は、最上級の顧客だけが招かれる場所である。
「ご主人はいかがお過ごしで?」
「さあ。結婚式の翌日から、一度も顔を合わせていないの」
あえてグレゴールのことを「陛下」ではなく「ご主人」と呼ぶあたり信用できる。この部屋は、機密が漏れないような作りにはなっているだろうけれど、どこで話が漏れるかはわからない。
「どうしてこちらに?」
「あなたに、投資をしようと思って」
にっこり、と微笑めば、彼は事態を理解した様子だった。すぐに、従業員に指示を出す。
「こちらのお嬢様は、お忍びでいらしている貴族のご令嬢だ。お名前については、おたずねするな」
「かしこまりました」
貴族がこういう店を訪れるのも珍しい話ではない。その時に、身分を偽っておくのも。
ダミオンは、オリヴィア達を店の一番奥にある部屋へと通した。贅を尽くした家具で調えられたこの部屋は、最上級の顧客だけが招かれる場所である。
「ご主人はいかがお過ごしで?」
「さあ。結婚式の翌日から、一度も顔を合わせていないの」
あえてグレゴールのことを「陛下」ではなく「ご主人」と呼ぶあたり信用できる。この部屋は、機密が漏れないような作りにはなっているだろうけれど、どこで話が漏れるかはわからない。