お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「なんと。それで、お嬢様――いえ、奥様とお呼びしましょうか――は、本日はどのようなご用件で?」
「こちらの商品なのだけれど。まだ、わが国では流通していないわよね」
「これはこれは」
オリヴィアがテーブルに置いたのは、茶葉であった。侍女長の部屋から持ち出し――分けてくれるよう、丁寧に侍女長に頼んだ――ものである。
侍女長の部屋から持ち出してきたそれをマリカとエリサと一緒に飲んだのだが、たしかにいい香りだった。今後、起床後の一杯はこれにしようと思うほどに。
「こちらではさほど珍しくないみたいなの。香りがいいから、貴族の女性の間では流行ると思うわ。それに、『オリヴィアのお気に入り』と書いてしまってもいいわよ。この国で栽培されている茶葉であるのはすぐにわかるでしょうし」
この国ではグレゴールに認められていない王妃だが、イリアーヌ王国に戻ればオリヴィアの人気はなかなかのものなのである。
王女に準じる身分にきりっとした美貌。おまけに魔獣から国境の地を守っている英雄一族でもある。オリヴィアが気に入っているとなれば、母国の令嬢達はこぞって買うに違いない。
「こちらの商品なのだけれど。まだ、わが国では流通していないわよね」
「これはこれは」
オリヴィアがテーブルに置いたのは、茶葉であった。侍女長の部屋から持ち出し――分けてくれるよう、丁寧に侍女長に頼んだ――ものである。
侍女長の部屋から持ち出してきたそれをマリカとエリサと一緒に飲んだのだが、たしかにいい香りだった。今後、起床後の一杯はこれにしようと思うほどに。
「こちらではさほど珍しくないみたいなの。香りがいいから、貴族の女性の間では流行ると思うわ。それに、『オリヴィアのお気に入り』と書いてしまってもいいわよ。この国で栽培されている茶葉であるのはすぐにわかるでしょうし」
この国ではグレゴールに認められていない王妃だが、イリアーヌ王国に戻ればオリヴィアの人気はなかなかのものなのである。
王女に準じる身分にきりっとした美貌。おまけに魔獣から国境の地を守っている英雄一族でもある。オリヴィアが気に入っているとなれば、母国の令嬢達はこぞって買うに違いない。