くちづけ 〜You look good wearing my future〜
エンドレスキス
帰り道、いつも通る公園で、

「そういえば、木から落ちたのもこの公園だし、キスの練習したのも、ここだったね」

倫也が立ち止まり、ある木を見上げた。

記憶を辿り、何故、倫也が木から落ちたのかを思い出そうとして、私はハッとした。

「倫也…私のこと助けようとしてくれたんだったね」

「やっと思い出した?」

小さい頃、私は考えもなく、バドミントンの羽根を取ろうとして木に登ったはいいが、降りられなくなり、助けに来た倫也のほうが先に落ちてしまったのだ。

その後、号泣した私は、たまたま巡回していたおまわりさんに助けられ、倫也は救急車…。

「あの頃から、倫也は私のこと助けてくれて…今だってそうだよね」

さりげなく、いつも倫也は私を危険から守ってくれている。
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