龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?

「ありがとう。リリアナさん、マリナさん、カリンさん。おかげで落ち着つけた」

3人にお礼を伝えると、皆さん口々にとんでもないことをおっしゃる。

「ヴァイス殿下には直談判せねばなりませんわね」
「そうですわ!パートナーであるアリシアさんがデビューできないなどとありえませんわ」
「あたくしもお付き合いさせてくださいな。ヴァイス殿下にひと言申し上げねば」

リリアナさんをはじめ、令嬢方はなぜかメラメラ燃えている。なぜ??
とはいえ、止めなきゃとんでもない事態になりかねない。

「あ、あのー…大丈夫だよ。あたしがヴァイスさんと話すから、みんなが乗り込む必要は…」
「アリシアさん!」
「は、はい!」

3人に顔をぎりぎりまで近づかれたら、すごい迫力。しかも見目麗しいお顔に憤怒の表情。

「そうやって問題を先延ばしするのはよくありませんわ!」
「そうですわ。困難な事態を打開するには、早めに動くに限りますのよ」
「あたくし、大切なお友達が傷つけられたら黙ってはいられませんの」

リリアナさん、マリナさん、カリンさんに次々と嬉しい言葉がかけられる。
特に、最後に言われた“大切なお友達”が、胸にジンとくる。

「……友達、ほんとに?あたしもそう思っていいの?」
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