キミとの距離が、縮まらない。

第4話 キミとの距離が、縮まらない。


いよいよ、文化祭の前日になった。


午後は授業もお休みで、学校中が準備に追われていた。


企画委員は、学校全体の飾り付けや当日の担当割の打合せ等もあり、午後は慌ただしく時間が過ぎていった。


明日の本番では、長谷川くんと一緒に、受付兼案内所で学校全体の地図を配ったり、場所がわからない人を案内したりする仕事もある。
それが終われば、クラスに戻って長谷川くんはお化け役、私は自由時間の後、午後からお化け屋敷の受付をすることになっている。


ようやく企画委員の仕事を終えて長谷川くんと一緒にクラスへ戻った頃には、私達のクラスのお化け屋敷も無事仕上がってきていた。


最後の仕上げ作業に加わり、みんなと一緒に作業を進めると、日が暮れた頃には恐怖感たっぷりのお化け屋敷が出来上がっていた。


「あとは本番で気合い入れて脅かすだけだな!」


お化け役の男子達が興奮してじゃれ合ったりして盛り上がっている時。


「黒田さーん。ちょっと来てきて。」

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