想いはじける、夏。


「ごめんね、返事待たせて」


空き教室に入るなり、向かい合って立つ佐山くんを見て言った。


「全然大丈夫」


ニコッと爽やかに笑う佐山くん。


いい人なんだろうな。


そんな人に期待を持たせてしまった私は、本当に最低だ。


「佐山くん、・・・・・・あの、ごめんなさい。考えたんだけど、やっぱり佐山くんとは付き合えません」


頭を下げて言った。


「・・・・・・そっか。まぁ、なんとなくわかってはいたからさ。・・・大河のこと、好きなんだよね?」

「え・・・」

「気持ち悪いかもだけど、美咲ちゃんのこと見てたから・・・なんとなくそうかなって」


そう言って力なく笑う佐山くん。


私は何も言えなかった。


ちゃんと振ってくれてありがとねって佐山くんは教室を出て行った。


一人残された教室で自分の足元に視線を落とす。


バレてた。


私の気持ち、気づいてる人いたんだ・・・


少し時間が経って急に恥ずかしくなってきた。


でも、


気づいて欲しい人には全然気づいてもらえないんじゃ・・・意味ないよね。


あーあ。


・・・・・・ばか大河。


ポタッと床に水滴が落ちた。

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