再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
仮に蒼汰さんが受け入れてくれたとしても、ご両親は?
特にお母様は……子どもがいるなんてことを知ったら。勝手に産んだと知ったら。

もう二度と会うことなんてできないだろう。


「莉乃、このままじゃダメ。今の彼と続けていくにしても、このままじゃダメ」


……そうだ。蒼汰さんが私を探していると知ってしまった以上、このままにはしておけない。

真剣に付き合ってくれている優太くんにも、失礼だ。
覚悟を決めなきゃ。


「……会う。蒼汰さんに……会うよ」

「うん。よかった」


ほっとした様子のめぐみさん。
本当、こんなときまでめぐみさんに支えられて、頭が上がらない。

私の勝手な事情で音信不通にしたのにも関わらず協力すると言ってくれている彼女は、いったいどこまで心が広いのだろうか。


「お店で会う?」

「うん……そうしようかな」

「それなら、席の確保しとかなきゃ」


にっこりと笑っためぐみさんは、再びコーヒーを口にした。

めぐみさんの言葉で、目が覚めた気がする。
それから、自分の気持ちにも気が付いた。

今度こそ。次に彼と会ったときこそ、素直になりたい。
例え周りに反対されようと、もう自分の気持ちに嘘はつきたくない。

そう、心に誓ったーー。
< 123 / 170 >

この作品をシェア

pagetop