再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
* * *

蒼汰さんにハワイでの結婚式を提案されてから3ヶ月ーー。



「うわぁー!! ママ、とってもきれい!!!」

「ありがとう、蒼斗」


まだ幼い子どもに言われたとわかっているのに、『きれい』と言われるとやっぱり嬉しい。

純白のロングトレーンのウエディングドレスに身を包んだ私は、ローズブーケを持って控室で待機をしていた。


パスタ屋でパンフレットを見てから1ヶ月後の6月吉日。
〝ジューンブライド〟と言われている6月の中で1番日柄がいいとされている日に、私と蒼汰さんは入籍を済ませた。

それからクリニックのみんなにも報告。もちろん、1番驚いていたのは……荒木さん。
それでも、全力で喜んでくれたのも彼女だ。

めぐみさんや安達さん、私に関わってくれた人全員にも報告を済ませ、たくさんの『おめでとう』の言葉をもらった。
もちろん、結婚祝いの品物もたくさん。

こんなにたくさんの人に支えられてきていたことを、改めて実感した。

蒼汰さんの休診は結局クリニックのお盆休みにしか合わすことができなくて、8月のお盆休みに入ってすぐ、ハワイへとやって来たのだ。


「ママ、かわいいね」


さっきから私の周りをウロウロしながら、ウエディングドレス姿の私を見てはしきりに褒めてくれる蒼斗も、今日は白いタキシードを着ておめかししている。
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