再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
ハワイの結婚式場は、わりと早くに決めることができた。
式場と連携しているウエディングサロンに数回足を運んで決めたこのウエディングドレスは、かなりお気に入りだ。

私のウエディングドレスに合わせて蒼斗のタキシードも決まり、無事にハワイ挙式を迎えることができそうだ。

早朝からの準備も整い、いざチャペルへ向かおうとしたとき。


「ママ。あお、トイレいきたい」

「えっ、トイレ? えっと……」


さすがにロングトレーンのウエディングドレスを着たまま、トイレに付き添うことはできない。


「お連れしましょうか?」


どうしようかと戸惑っていると、プランナーさんがトイレに付き添ってくれるという。
「お願いします」と言うと、プランナーさんは蒼斗を連れて控室を出て行った。

助かった。慣れないウエディングドレスを着て、蒼斗のトイレに付き添うのは大変だったから。
「ふう」とため息交じりに、もう一度椅子に腰かけて2人の帰りを待つ。


……2人が出て行って5分後。
さすがに、トイレにしては長くない? もしかして、〝大〟の方だった?

それだったら、プランナーさんに申し訳ない。
まだきれいにお尻を拭くことができないし、やっぱり私がいかないとダメかもしれない。
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