利瀬くんの甘さに溺れたら
初めても最後も、君がいい

「成功してよかったね〜!!」



「みんなお疲れー!」



「杏奈ちゃん可愛かったなぁー…」



ふぅ…本当によかった…!!



体育館の舞台袖で、クラスメイトたちがそれぞれの思いを口に出す。



やりきったと清々しい顔をしている役者の子たちや、舞台のセットをずっと移動させていた大道具係の安堵のため息。



私たちのクラスが行った劇も無事成功に終わり、見守っていただけの私も安心していた。



今はちょうどお昼過ぎ。



この後は片付けをした後に解散となり、各々文化祭を楽しむという感じだ。



私は役者たちが着終わった衣装をまとめて、被服室に持っていく役目がある。



「お疲れ様〜!早速で悪いんだけど、衣装回収しちゃって大丈夫かな?」



「全然いいよー。ありがとう」



他の衣装係で協力して、とりあえずは持てる分だけ持っていこうという話になった。



うーん…もう一着くらいいけるかも?



両腕いっぱいになった布の山を確認し、自分の限界を見極めた結果、あと一人分持っていこうと近くの服に手を伸ばす。

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