利瀬くんの甘さに溺れたら
「お疲れ様!これ持っても行って大丈夫…」
って……
「あ…うん、大丈夫だよ。ありがとう、瑠々ちゃん」
私が声をかけたのは、まさかの杏奈ちゃんだったようで。
少し疲れ気味の杏奈ちゃんが、ふわりと微笑んでいた。
こ、個人的に気まずい…けど。
「ううん、杏奈ちゃんこそお疲れ様!すっごく良かったよ!可愛いかった!」
それはあくまで私情に過ぎない。
そんなことで友情が揺らいだりはしないしね!
「ほ、本当?えへへ、ちょっと恥ずかしいな…」
か、可愛い〜〜!!
頬を赤らめながらはにかむ杏奈ちゃんは、やっぱりどこからどう見ても本物の美少女だ。
お客さんたちも杏奈ちゃんに夢中だったし、なんなら私も普通に見とれてしまった。
水色のワンピースに黒いリボンを付けた杏奈ちゃんは、アイドル並みの可愛さが炸裂していた気がする。
「瑠々、そろそろ被服室行こう?もう持てないでしょ、それ」
さっきまでの杏奈ちゃんを思い出しながらそんなことを思っていると、ポンッと肩を叩かれびくりと跳ね上がった。