利瀬くんの甘さに溺れたら
「真剣に衣装を作る真面目な瑠々も、無邪気に笑って喜ぶ瑠々も…すぐ顔を真っ赤にしちゃう可愛い瑠々も、どんな瑠々もぜんぶ大好きなんだよ。…俺と、付き合ってほしい」
「っ…!!」
利瀬くんの言葉一つ一つが、全身に染み込んでいく。
全てが浸透する頃には…溢れていた。
「っ、私も…利瀬くんが好き、なのっ…」
「っ…」
利瀬くんと同じ気持ちであったこと。
真正面から告白してくれたこと。
そのどちらもが、言葉では言い表せないくらいに嬉しくて…満たされていく。
恋に溺れるだとか、そんな恋本当にあるのかなって思っていた。
でも…私は、目の前の彼に溺れている。
私を見つめるその瞳が、こんなにも私の心を揺らしてしまう。
私の言葉で…なんて思っていたけれど、そんな日はいつかやってくるのかな。
「…瑠々、奪ってもいい?」
なにを?なんて…そんなこと、もう聞かない。
どちらかが動けば触れてしまいそうな距離。
私は、ゆっくり頷いた。
落とされたのは、甘くてとろけそうな優しいキス。