とどまることをしらないで。


スムーズに決定したのは良い。


……だけど、問題はここからで。



「キッチンがいい人ー?」



はーい、と手を上げる……前に、なぜか黒板にすでにわたしの名前が書かれている。



“メイド”って。



「わたし、キッチンがいいよ……!」


「いや、ダメでしょ」



すぐに手を上げたのに、みんなはみーちゃんの否定の言葉にうんうんと頷いている。



「なんで……?」



むしろわたしがメイドなんてやってしまったら絶対だめだよ。

メイド服は、みーちゃんみたいな子が似合うのに。

わたしにメイドなんて、務まらないし、似合うわけがない。



「……わたし、メイドなんて出来るほど可愛くないよ……」



無事にそのまま決定してしまったメイド役に、もう一瞬、文化祭を休んでしまおうかとも思った。



「もー、だからめるはめちゃくちゃ可愛いんだって!」


「……うう……」



……そんなこと言ったって、騙されないんだからね。


だってみーちゃん、キッチン担当じゃん。


裏切られたよぉ……うぅ…。



「そんなじと目で見ても可愛いだけなんだからねー」



ぽんぽんと頭をなでられて、丸め込まれた感。


だけど、頑張ってと言うみーちゃんのためにも、頑張るしかないかなあ と思った。



……律くんは、執事するのかな。


でも、「接客とか無理」って言ってそうだから、キッチンかな。





< 40 / 69 >

この作品をシェア

pagetop