とどまることをしらないで。
スムーズに決定したのは良い。
……だけど、問題はここからで。
「キッチンがいい人ー?」
はーい、と手を上げる……前に、なぜか黒板にすでにわたしの名前が書かれている。
“メイド”って。
「わたし、キッチンがいいよ……!」
「いや、ダメでしょ」
すぐに手を上げたのに、みんなはみーちゃんの否定の言葉にうんうんと頷いている。
「なんで……?」
むしろわたしがメイドなんてやってしまったら絶対だめだよ。
メイド服は、みーちゃんみたいな子が似合うのに。
わたしにメイドなんて、務まらないし、似合うわけがない。
「……わたし、メイドなんて出来るほど可愛くないよ……」
無事にそのまま決定してしまったメイド役に、もう一瞬、文化祭を休んでしまおうかとも思った。
「もー、だからめるはめちゃくちゃ可愛いんだって!」
「……うう……」
……そんなこと言ったって、騙されないんだからね。
だってみーちゃん、キッチン担当じゃん。
裏切られたよぉ……うぅ…。
「そんなじと目で見ても可愛いだけなんだからねー」
ぽんぽんと頭をなでられて、丸め込まれた感。
だけど、頑張ってと言うみーちゃんのためにも、頑張るしかないかなあ と思った。
……律くんは、執事するのかな。
でも、「接客とか無理」って言ってそうだから、キッチンかな。