恋の色した空と君
あれ ? 違ったっけ ?
くっ、盛大なカウンターをくらってしまった…!
そんな百面相をする私をいつから見つめていたのか。
「やっぱり先輩って空みたいですね。」
唐突に圭くんは口を開いた。
へっ ?
「空みたいってどういうこと ? 」
思わず間抜けな声が出た。
「空って時間によっても日によっても全然様子が違うじゃないですか。それがころころ表情が変わる楽しそうな先輩に似ているなって思って。」
ほう… ? 褒められてる、よね ?
… だめだ。全然分からない。
そんな私の様子に圭くんは小さく笑って、こう言った。
「先輩は分からなくてもいいですよ。まだ。」
まだ、とは ?
「俺の好きな人が、この空みたいな人って話です。」
俺の好きな人 ? さっきはしてたけど、今その話してたかな ?
そう思っている間も圭くんの話は突拍子もない方向へと進んでいく。
「ピンク色が似合う可愛い人です。空みたいに心が広くて性格がいいのは勿論なんですけど、顔も可愛いのに、それをひけらかさない、まぁ単純に気づいないだけかもしれませんけどね。そこも良いんです。それに…」
ちょっと待って、さすがに情報量多すぎてついてけないよ。
というか急にどうしたんだ、圭くん。