初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「オフィーリア嬢、それとジルベルトにはサツマイモについて話を聞きたい。今度時間を設けてくれるかい?」

「はい。勿論です」

 ロワール子息は既にお知り合いなんだろうけど、私はちょっと遠慮したい……

「あの、私よりも、うちの先生が専門ですので……」

 付け焼き刃の知識より先生の方がいい。専門って言ってしまったけれど、学者だから間違いではないと思うのよね。

「オフィーリア嬢、良かったら君の薦めるサツマイモのスイーツでも料理でも良いから今度持ってきて欲しいのだが」

 ……私なのか。

「分かりました。私で良ければ」


 家に帰って作戦会議だ。

 ******

「という事で、フローリア様のお兄様にサツマイモ料理をお持ちすることになりました。どうしましょう」

 お父様もお母様もサツマイモの美味しさの虜になっている。

「美味しかったから仕方ないよね。シェフ他に何か自信作はあるのかい?」

 もちろんシェフも同席している。

「タルトですね。先生がサツマイモを裏漉しするようにと言って下さってから色々と試しました。スイートポテトもサツマイモの食感を残しつつ焼き上げるのでオススメです」

「サツマイモを薄く切り素揚げし、塩をかけシンプルに食べるのも美味しかったですよ」

 シェフと先生はサツマイモの有効活用としてレシピにしている。


「とにかくそれ、全部作ってくれるかい? 公爵家に持って行くんだから一度確認しないとな」

 お母様も頷いていた。何よ、私のこと食いしん坊と言いながら皆楽しみにしているじゃないの!

 ~次の日~

「サツマイモが足りないじゃないの!」

 お母様が悔しがった。とにかくお母様はサツマイモにハマっている。

「……ロワール伯爵家でも栽培しているはずだから頼んでみましょうか」

 ロワール伯爵子息は一応顔見知りだし……あの場にいたから聞くだけでも聞いてみよう。

「ロワール子息に聞いてみるね!」

 先ずはフローリア様にお手紙を書いて、ルシアン様経由でロワール伯爵子息に……早くても返事は明日かな?



「────え? もうお返事が来たの?」

 明日学園が終わってから会うことになった。

「サツマイモ、なんとかなりそうだよ~」

 みんな喜んでいた。それくらいにサツマイモの虜になった。


 ******

「カルメル嬢、こっちだよ」
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