初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「オフィーリア、早速頼ってくれて嬉しかった」
 
 ロワール伯爵子息とルシアン様だった。ルシアン様は人に興味がない分、友人になると良くしてくれるとフローリア様が言っていた。

「ご機嫌よう。フローリア様はどうされましたの?」


「用事があって帰ったんだが悔しがっていた。僕がいるのは、ジルベルトが照れてオフィーリアと二人は困るって、」もごもご……口を押さえられていた。

「ロワール伯爵子息、急にすみません」

「……ジルベルトで良い。皆名前で呼んでいるから……その僕もオ、オフィーリアと呼んで良いだろうか」

「はい、是非。私もジルベルト様とお呼びしますね」

「……あぁ、」
「ジルベルト、応援するぞ、がんばれよ。さてサツマイモの話だったな。オフィーリアの家のサツマイモがなくなったんだったな」


 準備するサツマイモがない。サツマイモの流通は食用ではなく家畜の餌用ならあったみたい。
 
「はい。先日もロワール領から取り寄せたんですが足りなくなってしまって……もしよろしければ譲っていただけませんでしょうか?」

 お礼をするとお父様が言っていた。その辺のことは分からないから大人に任せよう。

「あぁ、それは勿論。うちの邸でも栽培しているから、オフィーリアの家に届けさせるよ」 

「……うちのサツマイモが小さかったようで、栽培の仕方を教えて貰いたいと先生が……それと土が見たいと……不躾で恥ずかしいのですが、先生は学者で気になったことは目にしたいというか……」

「ははっ。学者先生ならではだね。それならうちに来る? 収穫は終わっているから備蓄のサツマイモしかないけれど」

「私もお邪魔して良いですか?!」
「え、オフィーリアも? 良いけど面白くないよ」
「そんな事ありません。楽しみです!」

 あ、ルシアン様を忘れていたわ。謝ったら気にしなくて良いと言ってくれた。思っていたより? 優しいんだわ。



< 47 / 175 >

この作品をシェア

pagetop