敏腕社長との秘密の身ごもり一夜～身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました～

「大地と言います」

居間のこたつで向かい合う形にしたのはこの家の中心のテーブルがここだったからだ。っ要さんはこたつには入らず、正座をしている。
私が抱いた大地を見つめ、深く頷いた。

「私が勝手に産んだ子です。私の責任で育てていきたいと思っています」
「俺は高垣とこの子と暮らしたいと思っている」
「責任を取る必要はありません」
「責任じゃない。俺がおまえを好きだからだ」

どくんと心臓が鳴った。祖父母の前でうまいことを言おうとしているのだろうか。しかし、要さんは私と横にいる祖父母を見回し、改めて頭を下げた。

「都子さんに恋をしていました。婚約者がありながら関係を迫った俺が悪かったと思っています」
「婚約者の麻里佳さんとはどうして婚約を破棄したんですか？」

私はなるべく冷静であろうと自分に言い聞かせる。

「彼女のおなかには要さんの赤ちゃんがいたはずです」

祖父母が表情を険しくするのがわかる。要さんは首を左右に振った。

「麻里佳の、元婚約者の子は俺の子じゃない。彼女とは、婚約関係にありながらお互いの恋愛相談をし合う友人関係だった。彼女の子は、彼女が愛した男の子どもだ」