敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
要さんが私を? 
私こそ、あなたに片想いをしていた。だから、一夜の思い出でもあなたがほしかった。

「俺の子を産んでくれていたなんて」
「要さん……私は」

どうしよう。見上げた彼の目に惹きつけられる。届かないはずだと見つめていた人が、今私を抱きしめている。子どももろとも私を愛そうとしてくれている。

「婚約者がいたあなたと関係を持った私は、許されないと思います。あなたの立場的にも」
「それは俺がすべて悪い。高垣のせいじゃない」
「あなたの気持ちに軽々しくは応えられません。でも」

そばにいたい。この人といたい。
諦めた。振り切った。決意を持ってここに来たのに、どうしてこんなに揺れてしまうの。

「まずはひと月でいい。一緒にいてくれないか? 大地とともに」
「ひと月ですか」
「そのひと月で、高垣……都子の気持ちを動かしてみせる。伝えられなかった分の気持ちがたくさん溜まってるんだ」
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