お飾り側妃になりましたが、ヒマなので王宮内でこっそり働きます! ~なのに、いつのまにか冷徹国王の溺愛に捕まりました~
「私たちは、下位でも同じ側妃よ! こんな風にあなたの性格が悪いから、陛下も後宮にお渡りになるのが嫌なんじゃない!?」
「なんですって!?」
「実際、昨夜だって、ここに来られてすぐにお帰りになったと聞いたわ! グレイシア様を寵愛されているのなら、そのままお泊まりになるはずなのに――!」
「メイジー!」
さすがにこれ以上はまずい。グレイシアの第一妃としての体面もあるが、オリアナとメイジーは共に地方の下位貴族の出身だ。中央の大貴族に睨まれては、家族や領民がどうなってしまうか。
一触即発の危機に慌ててメイジーを落ちつかせようと肩に手を置いた。しかし、グレイシアは急に冷たくなった眼差しで、ふんと嘲るようにこちらを見下ろしてくる。
「陛下が昨夜すぐにお帰りになったのは、私の体を気遣ってのことですわ。陛下の思いやりをそのように詮索するとは。無礼千万と、後宮を追い出されても文句のつけられない言葉だとわかっているの?」
そう告げるグレイシアの手は、自らの豪華な服に包まれた腹をゆっくりとさすっている。
下腹部をいたわるように撫でる仕草に、さっとメイジーの表情が変わった。
「……まさか」
「昨夜は、少々調子がよろしくなくて。念のため、早く休むようにといたわってくださったのですわ」
見下すような眼差しに、ますますメイジーの顔色が青ざめていく。ゆっくりとしたグレイシアの仕草が表しているのは、なんなのか――。
「なんですって!?」
「実際、昨夜だって、ここに来られてすぐにお帰りになったと聞いたわ! グレイシア様を寵愛されているのなら、そのままお泊まりになるはずなのに――!」
「メイジー!」
さすがにこれ以上はまずい。グレイシアの第一妃としての体面もあるが、オリアナとメイジーは共に地方の下位貴族の出身だ。中央の大貴族に睨まれては、家族や領民がどうなってしまうか。
一触即発の危機に慌ててメイジーを落ちつかせようと肩に手を置いた。しかし、グレイシアは急に冷たくなった眼差しで、ふんと嘲るようにこちらを見下ろしてくる。
「陛下が昨夜すぐにお帰りになったのは、私の体を気遣ってのことですわ。陛下の思いやりをそのように詮索するとは。無礼千万と、後宮を追い出されても文句のつけられない言葉だとわかっているの?」
そう告げるグレイシアの手は、自らの豪華な服に包まれた腹をゆっくりとさすっている。
下腹部をいたわるように撫でる仕草に、さっとメイジーの表情が変わった。
「……まさか」
「昨夜は、少々調子がよろしくなくて。念のため、早く休むようにといたわってくださったのですわ」
見下すような眼差しに、ますますメイジーの顔色が青ざめていく。ゆっくりとしたグレイシアの仕草が表しているのは、なんなのか――。