神獣使いのお気に入り

ユリウス様は忙しい身でありながらここ1ヶ月の間、私との時間を週2回必ず取ってくれた。

18時まで働き、夕食と入浴を済ませた頃に宿舎の裏庭にヨル様がやってきて念話で話しかけてくるのだ。

『フィリカ、降りてきておくれ』

その声が合図だ。

同室のマーヤにはヨル様から気に入られ、散歩に付き合っていると話をしているためいつも笑顔で見送ってくれる。

ユリウス様との秘密の時間を過ごしてるので少し罪悪感だ…。

「フィリカ、何考えてる?」

後ろにいるユリウス様に現実に引き戻された。

せっかくの貴重な時間をいただいてるのに。

フィリカは背筋を正して振り向いた。

蕩けるような甘い笑顔。

こんな表情は騎士団の仕事中は決して見せない。

そう思うとなんだか、心がじんわりと温かくなった。

この時間が続けばいいのに…。

今までは緊張と恥ずかしさが入り混じっていたが、変化した気持ちに胸がざわついた。




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