例えばその夕焼けがどれだけ綺麗だとしても
部屋は仕切りのない、会議室のようなもので、円卓に椅子があった。
そこに三人の男性が、並んで窓際に腰かけていた。
一番奥に座る一人は、黒いスーツを身に纏い、銀縁の眼鏡を掛けていた。
切れ長の目は、沙耶に真っ直ぐ向けられている。固められた黒髪は、きっちりと斜めに分けられている。冷淡に見えるのは、外見からだけではなさそうだ。歳は、30代半ばといったところだろうか。
二人目は紺色のスーツを着ていて、一人目とは対照的に、チャラチャラとした印象を受けた。髪色が明るく、跳ねていて、浅黒い肌をしている。口元は笑っているのか少し緩んでいて、この状況を明らかに楽しんでいるようだった。30前後と見受けられた。
三人目は、グレーのスーツを着ていて、線の細い、女の子のような色白の男だった。二人目と違い、品の好い笑顔を浮かべていて、黒目がちな目で、じっと沙耶を見つめている。それは一人目が向けているような射る様な眼差しではなく、小動物が何かを発見した時にするような、かわいらしい視線だ。歳は20代後半と予想。
――幹部っていうからじじぃばっかり想像してたけど……全体的に、若い。
「――どうぞ、お好きな所にお掛けください。」
沙耶が固まっていると、一番奥――銀縁眼鏡が、予想通り冷ややかな声で、自分たちの前にある椅子を勧めた。