例えばその夕焼けがどれだけ綺麗だとしても




早く来いと願う朝は中々来ない癖に、来ないでいいと思う朝は割と早くやってきてしまう。

沙耶はいつも通りの時間に起きて、いつも通り弟のお弁当と朝ご飯の支度をする。

いつも通り寝起きの悪い駿は、姉に怒られながら、もそもそと起きて、欠伸をした姿のまま、固まった。


「姉ちゃん……今日もその格好?」

いつもとは違う沙耶の格好。全ての支度を整えた姉は、昨日帰宅した時と同じ格好、つまり、スーツを着ていた。

駿は姉には何かあったのだろうと確実に勘づいていたが、姉が話さないと決めているのならば、絶対に話さないだろうし、話すと決めていれば絶対に話すだろうと思っていた。それでも今回は流石に突っ込んでしまった。

「うん。今日は、先いくね。」
「…………おう。」

やはり答える気のないらしい姉は、珍しく朝からにこりと駿に笑う。
どうしてかそれを恐ろしく感じてしまう駿。瞬時に、残っていた眠気が吹っ飛んだ。

「いってきまーす。」

けれど、どこか頼りなくも見える後ろ姿に。

「無理、すんなよ。」

気付けば、声を掛けていた。
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