A Maze of Love 〜縺れた愛〜
兄夫婦と同じ敷地で暮らさなければならなかった一年間は地獄だった。
凪咲は大翔のすぐそばにいて、毎日顔を合わせるのに、もう一生、手の届かない人になってしまったのだから。
とにかく家にいたくなかった。
塾のない日は学校の自習室や図書館で過ごし、できるだけふたりと顔を合わせないようにした。
それでも、兄は容赦なく、大翔をいたぶった。
「そういえば、お前も凪咲に惚れてたんだよな」
大翔の部屋にまでやってきて、心の傷を言葉で抉った。
無視して部屋に入ろうとすると、まあ、待てよと一馬は言葉を続けた。
「俺は弟思いだからさ、一日ぐらいなら、あいつを貸してやってもいいけど、どうする? それとも、俺と一緒に可愛がってみる?」
大翔はドンと大きな音を立てて部屋のドアを拳でなぐり、振り返って一馬をにらみつけた。
「おお、こわ。本気にするなよ。冗談に決まってるだろう」
その状況がとにかく逃げたくて、大翔は東京の大学に入学した。
そして、それ以来、一度も実家に帰らなかった。
凪咲は大翔のすぐそばにいて、毎日顔を合わせるのに、もう一生、手の届かない人になってしまったのだから。
とにかく家にいたくなかった。
塾のない日は学校の自習室や図書館で過ごし、できるだけふたりと顔を合わせないようにした。
それでも、兄は容赦なく、大翔をいたぶった。
「そういえば、お前も凪咲に惚れてたんだよな」
大翔の部屋にまでやってきて、心の傷を言葉で抉った。
無視して部屋に入ろうとすると、まあ、待てよと一馬は言葉を続けた。
「俺は弟思いだからさ、一日ぐらいなら、あいつを貸してやってもいいけど、どうする? それとも、俺と一緒に可愛がってみる?」
大翔はドンと大きな音を立てて部屋のドアを拳でなぐり、振り返って一馬をにらみつけた。
「おお、こわ。本気にするなよ。冗談に決まってるだろう」
その状況がとにかく逃げたくて、大翔は東京の大学に入学した。
そして、それ以来、一度も実家に帰らなかった。