A Maze of Love 〜縺れた愛〜
「わざわざ祝いに来てくれたのか。前から気に入っていたんだよ、彼女のことは。プロポーズしたら受け入れてくれたんでね」
 高級なスーツに身を包み、エグゼクティブ・チェアに座っている一馬が微笑みを浮かべながら言った。

「そんなの、あり得ない。だって、俺たち……」

 一馬は立ち上がり、大翔の前まで歩み寄った。

「なんだ。お前も彼女のこと、好きだったのか。それは悪いことをしたね。だが、彼女は私を選んだ。それだけのことだよ。お前に文句を言われる筋合いはない」
 
 うちの両親も凪咲の母親も、ふたりの婚約を認めているようだった。
 大翔ひとりがじたばたしても無理だった。

 そして、凪咲は高校卒業と同時に兄と結婚した。

 唯一無二の恋人だと思っていた凪咲は……
 大翔の義姉になった。
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