A Maze of Love 〜縺れた愛〜
 大翔は片手で頭を撫でながら、少し体をずらして、凪咲の細い首筋から胸元まで唇を這わせた。

「あ……」
 甘い吐息をこぼす凪咲。
 彼女のすべてが愛おしい。

 もう一方の手で、凪咲のサマーニットとインナーのすそをたくし上げてゆく。
 素肌の感触を味わいながら、ブラジャーのホックを外し、ふくよかな胸に手を這わせてゆく。
 尖端の敏感な部分に触れると、たまらずに凪咲があえかな声で啼く。

「ひろ……と」

 大翔は凪咲を抱き起こして、ニットとインナーを首から抜いた。
 それから自分の服も脱ぎさった。
 
 そうして、生まれたままの姿になってから、大翔は凪咲をしばらく抱きしめていた。

 今、ここにいるのは、他の誰でもない。
 凪咲だ。
 大翔はそのことを全身で感じたかった。

 口づけを繰り返しながら、凪咲の脚の狭間に手を伸ばし、指で、それから唇や舌でも愛撫してゆく。
 凪咲が蕩けてゆく。

 「あ……大翔……んぁ、もう」
 大翔はゆっくり、凪咲のなかに分け入っていった。

「ああ、ナギ……」

 はじめて彼女に包み込まれ、ひとつに溶け合い……

 大翔は、このかけがえのないひとときを味わいつくした。
 この世にこれほどの幸福なんてないと思った。

 後悔は一切なかった。

 今までがおかしかったのだ。
 ふたりは結ばれるべきだったのだから。
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