小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「美鈴、何か勘違いして嫉妬してくれている?嬉しいけど、このベッドで他にこうやって寝た人は今までいないなあ」

「でも、ここじゃなくてもいるんでしょ?」

 先生は私を自分の方に向けて、私の顔を両手で囲って真剣に言った。

「いないよ。こうやってベッドで寝ながら顔をつきあわせて話した人もいない。美鈴だけだよ、安心して。君だけだ。君だからやっている。君に慣れてもらうためというのは実は俺の口実だ」

 そうっと唇を合わせた。チュッと音を立てて離れる。

「安心して眠れ。これからも君だけだよ」

 そう言って胸に顔をつけさせて、背中を優しく叩いてくれた。

「おやすみ、美鈴」

 私は安心して目をつむったら、不思議とすぐに眠りに落ちた。

 水曜日。

 読み聞かせの準備をして文恵さんと図書館を出た。弘樹先生は今日診療が忙しくて、読み聞かせが終わってから、佳奈美さんと約束をしたそうだ。それも、午後の外来だけでなく、入院患者に急変などがなければの話だ。救急患者がいれば難しい。
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