小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「そうかあ、折り紙。私、折り紙はあんまり上手じゃないけど、あやとりとか、お絵かきが大好きなんだ。今度一緒にやろうね」

 そう言うと、子供達が歓声を上げた。お絵かきは大好きな子が多い。まるで保育園か幼稚園のようだ。どうしたってそういう位置づけになりがち。

 でも、なんでもいい。子供達がつらい入院生活に少しでも楽しさを見つけてくれたらそれでいい。

 弟もそうやって小さいとき乗り切っていた。私は来るといつも絵本を読んであげたんだ。

 ふたりでやると時間が早い。あっという間だった。みんなを抱きしめながら一時のお別れをして、私は急激に悲しくなってきた。そういえば、たかしくんが来ていない。大丈夫なんだろうか?

 通りがかった檜山先生に聞いてみた。すると、小声で言う。

「あんまり状態が良くないので、寝ているんだ。ここへ来ると大騒ぎになるからはしゃいでしまうしね。美鈴ちゃん、聞いたよ。大変だったね。今日は柊さん来てないよ。というか、ここ最近はおばあちゃんが来てた」

「そうだったんですね……私のせいでお見舞いにパパが来ないとたかしくんが可哀想です」
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