小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 私は前に出て言った。

「私は弘樹先生が好きです」

 その声が幾分大きくて、周りにいた看護師達もびっくりしてこちらを見ている。そして、わーと声が上がった。まずい。場所をわきまえず言ってしまった。檜山先生に煽られた。

「良かったな、原田。大切にしてやれよ」

 そう言うと、騒いでいる看護師達に言う。

「ほら、ほら、みんな。まだ俺がいるから、安心しろ。いつでも告ってくれていいぞ」

 すると、みんな檜山先生の周りに行って笑って話し出した。助かった。

「美鈴、待たせたな。行こう」

 そう言うと、私の前を歩いて行く。私の発言を無視してる?なんか、ショック。黙っていたら、非常階段に降りて、皆が周りにいなくなったところで私に言った。

「嬉しいよ、美鈴。さっきの……ありがとう」
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