小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「美鈴。何を悩んでる?今日一日様子が変だった。眠れそうにないからこれを飲んでるんだろ……何があった?」

 弘樹先生が、私のことを後ろから抱きしめて聞いた。私は大きく息を吸って吐いた。

「深呼吸までして……一体どうした?」

 先生は目の前に回ってきて、手を握ってくれた。

「まずはいい話から報告します。私、また宝田小児医療病院の病院訪問の担当者になりました。来月から私が行きます」

「本当か?それは子供達が大喜びしそうだな。文恵さんはどうしたんだ?」

「……実はそれなんですが、九州へご主人が転勤になるのでお子さんと一緒について行くそうで、しかもご主人の実家が九州なのでおそらくそちらで生活をするそうです。それで私に仕事が戻ってきたんです」

「……そうか。美鈴にとっては嬉しいようで悲しいことだな」

 私は頷いて先生に抱きついた。

「そうなの。私にとっては職場の上司というより、姉に近い身近な相談相手だった。母がいないから私にとっては……」
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