小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
「ありがとうございます」
「佳奈美のこと、君から言ってもだめかもしれないから、彼女が来る最終日に呼んで会わせよう。荒療治だがそれが一番かもしれん」
「わかりました。彼女には言っておきます」
「残念だよ、原田君。君には是非うちに入って欲しかった。君の実家は弟さんもいるしね、お父上から了承も得ていた。いや、もちろんそれだから佳奈美を勧めてくれたんだけどね」
それは父が勝手に決めたことだ。俺はここへ入ったときそんなつもりは全くなかった。弟のために出ていたに過ぎない。
「父は弟さえいればいいという感じですので……」
「そんな意味じゃない。そんなふうにとらえたら君の父上が可哀想だぞ」
「……」
「まあ、君のご実家のことは色々あるんだろうと思うが、気にしないことだよ」
「はい」