小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 ものすごい勢いで言う。どうしよう。しょうがないよね、覚悟を決めた。でも、よく考えたら弘樹先生がまずいところなんて何にもない。心配は無用かもしれない。

 駐車場まで一緒に歩いて行く。先生の車がある。本を読んでいる。こちらには気付いていない。

「おい、もしかしてあの車に乗っている人?」

「そうです」

「さっき話した見たことない背の高い人だろ」

「……そうです」

「なんだよ、そうだったのか。お前が終わるの待ってたんだな」

 そう言ってため息をついている。じゃあもういいかしら?

「それなら、会わなくてもいいですか?」

 じろりとこちらを見た。

「それとこれとは別。何だよ、知られたくないことでもあるのか?」

「何もありませんよ」

「それなら、紹介しろよ」

「わかりました」
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