見知らぬ彼に囚われて 〜彼女は悪魔の手に堕ちる〜
彼じゃない男に狙われて
「……そんな、貴方……」
彼女は現れた若い男を見てようやく思い出す。
その姿は、自分の伴侶となったばかりの……
しかし違う。
いま自分を捕えるこの男は、自分の知る穏やかで優しいあの彼ではないと雰囲気だけですぐに分かった。
「離して!!助けて貴方!」
すぐにレオナ縛られた老年の男の方に必死に手を伸ばすが、彼は身をよじるも全く動くことが出来ずにそのまま倒れ込む。
「彼のことを思い出したほうが奪い甲斐があるし、絶望で心を闇に染めやすいからね。……あんな姿になった彼はもう忘れてしまいなよ。僕がいるんだから」
目の前の男の形の良い唇がゆっくりと弧を描く。
レオナは、やはり部屋の隅の老年の男が自分の愛していた彼だと確信した。
彼女は男に身体を押さえつけられ、嬲られ続ける。恐怖に怯えたまま強く抵抗するも、男は全くびくともしない。
「そうだ、僕の子を産んでよ。彼と違って、産まれるのは正真正銘“悪魔の子”だ。せっかく僕が死の淵から戻してあげたんだから、ね?」
「ひっ……」
耳元で囁きかける男に、彼女は嫌な予感でなおさら恐怖が襲う。
縄に身体を取られ身動きの出来なくなった彼は、自身の本来の姿に化けた異形に向かって叫んだ。
「止めろ!!彼女に手を出すな!」
「もう遅いよ。彼女は僕のものになる」
愉しげに笑う“異形”。
老年の姿の彼はレオナを見据え、縛られたまま懸命に身体をよじるが縄はいっこうに解ける様子はない。
「あぁ、そろそろいいね。……きっと君も、僕との子を喜んでくれるはずだ」
彼女は現れた若い男を見てようやく思い出す。
その姿は、自分の伴侶となったばかりの……
しかし違う。
いま自分を捕えるこの男は、自分の知る穏やかで優しいあの彼ではないと雰囲気だけですぐに分かった。
「離して!!助けて貴方!」
すぐにレオナ縛られた老年の男の方に必死に手を伸ばすが、彼は身をよじるも全く動くことが出来ずにそのまま倒れ込む。
「彼のことを思い出したほうが奪い甲斐があるし、絶望で心を闇に染めやすいからね。……あんな姿になった彼はもう忘れてしまいなよ。僕がいるんだから」
目の前の男の形の良い唇がゆっくりと弧を描く。
レオナは、やはり部屋の隅の老年の男が自分の愛していた彼だと確信した。
彼女は男に身体を押さえつけられ、嬲られ続ける。恐怖に怯えたまま強く抵抗するも、男は全くびくともしない。
「そうだ、僕の子を産んでよ。彼と違って、産まれるのは正真正銘“悪魔の子”だ。せっかく僕が死の淵から戻してあげたんだから、ね?」
「ひっ……」
耳元で囁きかける男に、彼女は嫌な予感でなおさら恐怖が襲う。
縄に身体を取られ身動きの出来なくなった彼は、自身の本来の姿に化けた異形に向かって叫んだ。
「止めろ!!彼女に手を出すな!」
「もう遅いよ。彼女は僕のものになる」
愉しげに笑う“異形”。
老年の姿の彼はレオナを見据え、縛られたまま懸命に身体をよじるが縄はいっこうに解ける様子はない。
「あぁ、そろそろいいね。……きっと君も、僕との子を喜んでくれるはずだ」