後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
『…実は俺、最近ずっと、夜寝れてなかったんだ。』
『そうなの?』
私がそう尋ねると、五十嵐くんは目を瞑ったままコクッと頭を縦に振った。
『俺さ、サッカーの才能を買われてこの高校に入学させてもらったんだよね。ある意味、スポーツ推薦、みたいな感じで。うちの高校のサッカー部を立て直したいってコーチが思ってるらしくて、学費とか一部免除するから、入ってくれって言われて入学したんだ。』
『そうだったんだ。…すごいね。』
『でも、プレッシャーがすごくて。2年になって、ますます俺が頑張らないといけないって思ったら夜眠れない日が増えてきて。だから最近、ずっと寝不足気味。』
そこまで話して、五十嵐くんはゆっくりと目を開けた。五十嵐くんを見ていたから自然と見つめ合うようなかたちになる。