騎士団長サマ、そのエッチな本音が丸聞こえですっ!!
架空の人物の誕生日プレゼントを探すという不思議な使命のもと、アマーリエはバーナードを行きつけの雑貨店に案内した。
ガラス玉や一般市民でも手が出せる輝石でできた耳飾りや首飾りを一緒に眺めたり、ガラスでできた香水入れにうっとりしたり。
魔法関連の書店はこっちがおすすめだとか、文房具店ならグロース通り三番地のお店がイチオシだとか、取り留めなく話しながら街を散策した。
文具店のショウケースを眺めるさなか、何も考えずに先日新調したペンを指さすと、隣から『アマーリエとお揃い……いや、色違いでいいから買いたい。引かれるだろうか。見つからなければアリなのでは?』という心の声が聞こえてきた。
団長と色違いと思い浮かべれば、何かむずがゆくなる。別にそういう意味で口にしたわけではないのだけれど。
でも、そわそわしながら店に一人入るバーナードを想像すると、どうしてだか胸の奥がきゅんとしてしまった。
「そ、そろそろお昼にしましょうか」
気がつけば正午はとっくに回っていたどころか、お昼時のピークも終わりに差しかかっていた。
「そうだな。今日の礼だ。何でも好きなものを言ってほしい。私のおごりだ」
「いいのですか?」
「私は団長だ。部下に奢るくらいの甲斐性くらい持ち合わせている」
「ふふ。団員全員だと百人以上いますよ?」
「どんとこい」
「頼もしいですね。では、せっかくなので甘えさせていただきます」
ここで固辞して上司に恥をかかせるのも本意ではない。
でも、貴族の舌に合う店に予約もなしで入れるのだろうか。ドレスコードも心配である。
「私は野営の経験もある。兎やら鹿やらを仕留めて団員たちで囲むこともある。だからそう気負わなくていい」
「はい!」
どうやらこちらの考えごとはお見通しであったようだ。
では、と案内した食堂で、そのきれいな食事風景にこっそりドキッとしてみたり、伏せた瞳の白銀の睫毛の長さにちょっぴりジェラシーを感じてみたり。
今日一日で随分とたくさんのバーナードを知った気がする。
「ええと、結局何を買うことにしましたか?」
「そうだな……」
食堂を出たアマーリエはバーナードに尋ねてみた。
一応今日のお出かけの名目ではあるが、又従兄の義理のお姉様の以下略は元々はアマーリエの創作上の人物である。
「一応……目星はつけてあるのだが」
そう言ってバーナードはちらちらとアマーリエの方を窺ってくる。
もしかしたら。
「あ、ちゃんと商品購入までお付き合いしますよ。男性一人では入りにくい場合もありますよね!」
「……いや、そういうわけでは」
何か要領を得ないバーナードではあるが、もしかしたら商店での買い物自体がはじめてなのかもしれない。貴族は確かお金を持ち歩くことはなく、後ほど家に請求書が回り小切手で払うのだそうだ。
(あれ? でもさっきの食堂ではお会計時お金を出していたわよね。……金貨だったけど)
食堂のおばちゃんの顔がぴしりと固まり、お釣りを用意してくると言い裏口から慌てて出て行ったことを思い出す。
会話をしながら街中を流れる運河に差しかかった時。
「あんなところに子供がいるぞ」
「そういえば昨日もいたな」
「捨て子か?」
通りすがりの人々の会話が耳に流れ込んできた。
低い位置を流れる運河の両岸は煉瓦道で舗装されている。橋の麓に子供が一人うずくまっているのが見てとれた。
「あの。昨日からって本当ですか?」
ガラス玉や一般市民でも手が出せる輝石でできた耳飾りや首飾りを一緒に眺めたり、ガラスでできた香水入れにうっとりしたり。
魔法関連の書店はこっちがおすすめだとか、文房具店ならグロース通り三番地のお店がイチオシだとか、取り留めなく話しながら街を散策した。
文具店のショウケースを眺めるさなか、何も考えずに先日新調したペンを指さすと、隣から『アマーリエとお揃い……いや、色違いでいいから買いたい。引かれるだろうか。見つからなければアリなのでは?』という心の声が聞こえてきた。
団長と色違いと思い浮かべれば、何かむずがゆくなる。別にそういう意味で口にしたわけではないのだけれど。
でも、そわそわしながら店に一人入るバーナードを想像すると、どうしてだか胸の奥がきゅんとしてしまった。
「そ、そろそろお昼にしましょうか」
気がつけば正午はとっくに回っていたどころか、お昼時のピークも終わりに差しかかっていた。
「そうだな。今日の礼だ。何でも好きなものを言ってほしい。私のおごりだ」
「いいのですか?」
「私は団長だ。部下に奢るくらいの甲斐性くらい持ち合わせている」
「ふふ。団員全員だと百人以上いますよ?」
「どんとこい」
「頼もしいですね。では、せっかくなので甘えさせていただきます」
ここで固辞して上司に恥をかかせるのも本意ではない。
でも、貴族の舌に合う店に予約もなしで入れるのだろうか。ドレスコードも心配である。
「私は野営の経験もある。兎やら鹿やらを仕留めて団員たちで囲むこともある。だからそう気負わなくていい」
「はい!」
どうやらこちらの考えごとはお見通しであったようだ。
では、と案内した食堂で、そのきれいな食事風景にこっそりドキッとしてみたり、伏せた瞳の白銀の睫毛の長さにちょっぴりジェラシーを感じてみたり。
今日一日で随分とたくさんのバーナードを知った気がする。
「ええと、結局何を買うことにしましたか?」
「そうだな……」
食堂を出たアマーリエはバーナードに尋ねてみた。
一応今日のお出かけの名目ではあるが、又従兄の義理のお姉様の以下略は元々はアマーリエの創作上の人物である。
「一応……目星はつけてあるのだが」
そう言ってバーナードはちらちらとアマーリエの方を窺ってくる。
もしかしたら。
「あ、ちゃんと商品購入までお付き合いしますよ。男性一人では入りにくい場合もありますよね!」
「……いや、そういうわけでは」
何か要領を得ないバーナードではあるが、もしかしたら商店での買い物自体がはじめてなのかもしれない。貴族は確かお金を持ち歩くことはなく、後ほど家に請求書が回り小切手で払うのだそうだ。
(あれ? でもさっきの食堂ではお会計時お金を出していたわよね。……金貨だったけど)
食堂のおばちゃんの顔がぴしりと固まり、お釣りを用意してくると言い裏口から慌てて出て行ったことを思い出す。
会話をしながら街中を流れる運河に差しかかった時。
「あんなところに子供がいるぞ」
「そういえば昨日もいたな」
「捨て子か?」
通りすがりの人々の会話が耳に流れ込んできた。
低い位置を流れる運河の両岸は煉瓦道で舗装されている。橋の麓に子供が一人うずくまっているのが見てとれた。
「あの。昨日からって本当ですか?」