没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「まぁ。もうお帰りに?残念ですわ」

新しく入った、フィリシティ付の侍女リナだ。
先週から世話をしてくれている、男爵家の令嬢だ。

ずっと王都から離れた領地で暮らしていたらしく、零細牧場を経営していた実家もなかなか立ち行かず、侍女として働きに出ることにしたらしい。少し田舎くさいところがあるが、それはフィリシティも同じ。先日は、虫の話になり盛り上がったところだ。

王都の暮らしにはあこがれがあるけれど、キラキラしたところは自分にはまだ早いと思ったので、お嬢様のような方におつきできてよかったですとくったくなく笑う純粋な子だった。
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