モブA子と王子様の友達
近づく距離と違和感
映画
「映画?」
「うん!バイト先で割引券貰ってさ、よかったらいっしょに行かない?3人で!」
パンダくんと友達になって2ヶ月。
週に1回だけ重なる講義の後にお昼ご飯をいっしょに食べるのがいつもの流れ。
最初は2人だったけど、時々一条くんもいっしょに3人で食べることもある。
一条くんは憧れの人で、始めの頃に比べたら落ち着いて話せるようになった、、、、多分。
一条くんともお友達に、、なんて自分勝手ですか?
お友達の定義ってなんだろう。
いっしょに食事をしたら?
いっしょに遊びに行ったら?
友達の友達は友達?
うぅ〜わかんないよ。
2ヶ月前、パンダくんが「友達になろう」って言ってくれてすごく嬉しくてお友達になれていつもすっごく楽しい。
ちょっとドキドキする時もあるけど、、。
私が一条くんに向ける思いは、、
恋?憧れ?
、、、まだわかんないよ。
なら、
私がパンダくんに向ける思いは、、
友情、、、だよね?
どうしちゃったんでしょう私。
自分の気持ちがわからないなんて、、。
「ちなみに一条は行けるって。」
「いっしょに遊びに行けるの嬉しい!楽しみです。」
「今やってる映画で気になってるのある?」
パンダくんのスマホで上映映画一覧をいっしょに覗き込む。
恋愛、ミステリー、ホラー、、、などなど
どれがいいかな?
「確かホラー映画が今話題だよね。」
「あーー、、でも一条ホラー苦手なんだよね〜」
そうなんだ、、ちょっと意外。
クールな一条くんもホラーとかお化け屋敷とかで怖がったりするのかな。
スマホをスクロールしていくと、
「「あ、これ」」
ハモった。
見つけた映画はアドベンチャーな冒険話。
おもしろそう。
2人で目を合わせる。
ちょっと照れくさい。
「ふふっパンダくんアドベンチャー映画好き?」
「うん、アクション系とか大冒険する話結構好き。」
「私も大冒険する話好きなんです。」
「そうなんだ、同じだね。」
映画が決まり、3人の休みと上映時間などを決めた。
「、、よし!一条もOKだって。」
「よかった。楽しみだね。」