婚約破棄されたので、好きにすることにした。
たしかに彼の言うように、前世の記憶が蘇ったのはあの瞬間だ。
こくりと頷くと、それを見たエーリヒの瞳に、昏い色が宿る。
「クロエが絶望した顔で座り込んでいるところを見たとき、あの男を殺そうと思った。そうすればクロエは、あの男から解放される。王女に囚われていた俺がクロエのためにできるのは、もうそれしかないと思っていた」
そのときの怒りを思い出したのか、エーリヒの顔が険しくなる。
「そんな……」
エーリヒは、クロエが婚約破棄された場面を見ていた。
その話は再会したときに彼から聞いていたが、まさかクロエのためにキリフを殺そうと決意していたなんて思わなかった。
「でもクロエは自分で逃げ出していた。だからあの男を殺すよりも、追いかけてクロエを守ることを選んだ」
それを聞いて、あのとき逃げ出すことを選んでよかったと、心からそう思う。
もしクロエが動けずにそのまま晒し者になっていたら、エーリヒは迷わずキリフを手にかけていたに違いない。
あれでも第二王子だ。
しかもエーリヒは王女が嫁ぐための障害になると思われていたようだから、下手したらその場で切り捨てられていた。
こくりと頷くと、それを見たエーリヒの瞳に、昏い色が宿る。
「クロエが絶望した顔で座り込んでいるところを見たとき、あの男を殺そうと思った。そうすればクロエは、あの男から解放される。王女に囚われていた俺がクロエのためにできるのは、もうそれしかないと思っていた」
そのときの怒りを思い出したのか、エーリヒの顔が険しくなる。
「そんな……」
エーリヒは、クロエが婚約破棄された場面を見ていた。
その話は再会したときに彼から聞いていたが、まさかクロエのためにキリフを殺そうと決意していたなんて思わなかった。
「でもクロエは自分で逃げ出していた。だからあの男を殺すよりも、追いかけてクロエを守ることを選んだ」
それを聞いて、あのとき逃げ出すことを選んでよかったと、心からそう思う。
もしクロエが動けずにそのまま晒し者になっていたら、エーリヒは迷わずキリフを手にかけていたに違いない。
あれでも第二王子だ。
しかもエーリヒは王女が嫁ぐための障害になると思われていたようだから、下手したらその場で切り捨てられていた。