婚約破棄されたので、好きにすることにした。
「……俺にはとても、そうとは思えませんね。あのキリフ殿下の妹ですから。俺のことなんか、自分の言うことを何でも聞いてくれるお人形としか思っていませんよ」
彼もどうやら相当苦労をしていたらしい。
クロエはようやく警戒を解いて、彼と向き直る。
「もしよかったら、闇市場に一緒に行ってくれないかしら。さすがにひとりでは不安だったの」
クロエの申し出に、エーリヒはあっさりと頷いた。
「俺でよければ喜んで。勝手に便乗しましたが、お嬢様の魔法には助けられましたから」
彼はそう言って、手を差し伸べてきた。
クロエは少し躊躇ってから、その手を握る。
エーリヒは嬉しそうにクロエの手を引いて歩き出した。
「換金したら、どうします?」
「冒険者になって、王都を離れようと思っていたの。私は魔法が使えるから」
「なるほど。では、剣士の相棒なんてどうですか? これでも腕に自信はあります。お嬢様を守ることはできますよ」
「……そうね」
エーリヒの申し出に、クロエはしばし考え込む。
せめて王都を出る間だけでも、相棒が欲しいと思っていたところだ。
彼もどうやら相当苦労をしていたらしい。
クロエはようやく警戒を解いて、彼と向き直る。
「もしよかったら、闇市場に一緒に行ってくれないかしら。さすがにひとりでは不安だったの」
クロエの申し出に、エーリヒはあっさりと頷いた。
「俺でよければ喜んで。勝手に便乗しましたが、お嬢様の魔法には助けられましたから」
彼はそう言って、手を差し伸べてきた。
クロエは少し躊躇ってから、その手を握る。
エーリヒは嬉しそうにクロエの手を引いて歩き出した。
「換金したら、どうします?」
「冒険者になって、王都を離れようと思っていたの。私は魔法が使えるから」
「なるほど。では、剣士の相棒なんてどうですか? これでも腕に自信はあります。お嬢様を守ることはできますよ」
「……そうね」
エーリヒの申し出に、クロエはしばし考え込む。
せめて王都を出る間だけでも、相棒が欲しいと思っていたところだ。