婚約破棄されたので、好きにすることにした。
(まだ目覚めたばかりで、何ができるのかもわからないのよね)
 魔法の知識がなさすぎるのも問題点だ。
 町で暮らしている間に、少し学ぶべきかもしれない。
(ゲームや小説だったらすぐに冒険者になって旅立つけど、現実はこんなものよね)
 知識や常識がまったくないから、予想外のことが起きると不安になるのだと気が付いた。
 まずは勉強が必要だ。
「私はまだ、魔法が使えることに気が付いたばかりなの。いろいろと勉強しなきゃ」
「……そうなのか?」
 クロエの返答に、エーリヒは驚いたように目を見開く。
「ええ。自分の意志で使ったのは、あのときが初めてよ」
「それなのに王女の魔法を吹き飛ばしたのか。クロエはすごいな」
 手放しに褒められて、思わず照れてしまう。
「そ、そうかな。でも、まだわからないことばかりだから、勉強しないと。図書館とかあったら、そこにも行ってみたいわ」
 でも、本当に色素を変えるだけで大丈夫なのだろうかと、不安になる。
「髪の色とかは変えられるけど、それだけでいいの?」
「ああ。クロエの髪や瞳はとても綺麗だから、少し目立ちすぎる」
「地味だとしか、言われたことがないけど」
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