婚約破棄されたので、好きにすることにした。
夢の中のクロエは、誰にも見つからずに自由に王城の中を歩き回れるようだ。それでもゆっくりと用心しながら、声の聞こえた方に向かって歩く。
(ここは……)
広くて大きな部屋に、豪華な調度品。
十人ほどいる侍女は、皆怯えたような顔をして、広い部屋の隅で震えていた。彼女達の視線は、部屋の中央に向けられている。
クロエもその方向に視線を向ける。
そこには、ふたりの女性がいた。
ひとりは年若い侍女らしく、顔を抑えて蹲っている。
その指の間に、流れる赤い血。
どうやら、硝子のコップを投げつけられたようだ。
(酷いわ。怪我をしているじゃない)
しかも女の子の顔に傷をつけるなんて、許されることではない。
憤りながらもうひとりの女性に目を向ける。
先ほどの金切り声もおそらく彼女だろう。
美しく着飾った、一目で高貴な身分だとわかるクロエと同じような年頃の女性。
金色の巻き毛に、青い瞳をした美少女だ。
(……もしかして)
クロエはじっくりとその女性を見つめた。
彼女はクロエと同じ魔女だという、この国の王女ではないのだろうか。
(ここは……)
広くて大きな部屋に、豪華な調度品。
十人ほどいる侍女は、皆怯えたような顔をして、広い部屋の隅で震えていた。彼女達の視線は、部屋の中央に向けられている。
クロエもその方向に視線を向ける。
そこには、ふたりの女性がいた。
ひとりは年若い侍女らしく、顔を抑えて蹲っている。
その指の間に、流れる赤い血。
どうやら、硝子のコップを投げつけられたようだ。
(酷いわ。怪我をしているじゃない)
しかも女の子の顔に傷をつけるなんて、許されることではない。
憤りながらもうひとりの女性に目を向ける。
先ほどの金切り声もおそらく彼女だろう。
美しく着飾った、一目で高貴な身分だとわかるクロエと同じような年頃の女性。
金色の巻き毛に、青い瞳をした美少女だ。
(……もしかして)
クロエはじっくりとその女性を見つめた。
彼女はクロエと同じ魔女だという、この国の王女ではないのだろうか。