身代わり婚約者との愛され結婚
「別にヤっててもヤってなくても、『婚約者の俺』が子種を注ぐことに意味があんだよ。初モノは独特の貫く感覚がクセになるから気になっただけで、レヴィンとどこまでしてるかなんて興味ねぇ」

 ギシリ、とベッドのスプリングが軋みベネディクトが私に近付く。
 ベッドの上で後退るが、この宿屋のベッドは狭く、また壁に面した配置のせいですぐに追い詰められてしまって。


「別に俺と結婚してからレヴィンを愛人として迎えればいいだろ。俺とお前には嫉妬なんて感情芽生えるよう関係じゃねぇんだから」

“レヴィンを愛人として?”

 政略結婚をした夫婦が互いに恋人を作ることは、確かに残念ながらよく聞く話だ。
 私の両親のようなパターンがむしろ稀。


 ――そんなの、わかってる。


 貴族令嬢として政略結婚は受け入れていたし、ベネディクトの言っていることは合理的だと理解はしてる。けど。


“レヴィンとそんな関係になりたくないわ”

 
 もし彼との未来が、彼を影に追いやるようなものならば選ぶつもりなんて最初からない。
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