身代わり婚約者との愛され結婚
 根拠なんてない。
 ただ私が信じたいだけ。

 そしていつか、次何かあったら私も当事者なんだから、とレヴィンを叱りつけてやるのだ。
 

 そんな未来に思いを馳せて、私は少しだけ執務室の椅子にもたれ目を閉じたのだった。



 その後も数々のお茶会に参加し、わかったことがいくつかあった。

 まず第一に、やはり私とベネディクトの婚約破棄がベネディクト側の問題であると認識されていること。

 そして。

“やっぱり私とレヴィンの話は誰もしていないわ”


 それはやはりレヴィンがちゃんと口止めを項目に入れて交渉してくれたということで。
 
 つまりは、秘密裏にクラウリー伯爵家がエングフェルト公爵家の代わりにニークヴィスト侯爵家へ慰謝料というペナルティを受けたということでもあった。

 
 ジョバルサンが集めてくれた情報は、特に目新しいものではなかったもののそれらの推測をしっかり裏取りしてくれており、お陰で更なる陰謀を疑う必要がなくなったことに安堵する。


“手紙、送らなくて良かったわ”
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