身代わり婚約者との愛され結婚
 折角レヴィン側が話を止めてくれているのに、私側からこのタイミングでこそこそとレヴィンに手紙を送りその気遣いを台無しにするところだったと息を吐いた。


 もちろん、いつかは堂々とレヴィンの隣に立ちたいが、それがいつなのかはレヴィン側に準備が整ったらだ。

“何か絶対考えているはずだもの”

 その意図を私の浅はかさでダメにすることは絶対に許されないから。
 


 ミリグ男爵家の茶会で聞いたクラウリー家の没落。
 
 それはどうやらただの噂話だったようだが、それでもその噂が流れるくらいクラウリー伯爵家が貧窮しているというのは間違いなさそうで。


「レヴィンは今、きっと打開するために動いてる」

 待つと言ったのだ。
 ならばその言葉通り、彼が迎えにきてくれるまで私はここで背筋を伸ばし待っていようと心に決めていた。


 そして、もうひとつ大きな噂を私は手に入れていて。


「ニークヴィスト侯爵令息様のご婚約の話、本当なのでしょうか?」

 私が手に入れた噂を聞いたハンナが首を傾げながらそう口にする。


 私が繰り返し茶会に出て集めたベネディクトの現状。
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